Ken Murata のレースレポ

Instagramから避難させました、主にレースレポです

2020.10/18「第14回加須タイムトライアル・ロードレース大会」ビギナー

 

例年はゴールデンウィークに開催されることから「こいのぼり杯」と呼ばれるこの個人TTも、世界中で猛威を振るう新型コロナウィルスの影響で、今年は10月開催となった。

昨年は個人的に残念な部分もあったので、非常に楽しみにしていたレースでもあった。

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◆エントリーに関して◆

まずは申し込みの際に、年代別でエントリーしようとしたら既に定員になっており、悩んだ末にビギナーでエントリーするところからスタート。

昨年はビギナーでなんとか入賞できたので、今年は昨年よりもいい成績を残したい、と漠然たる目標。

 

◆当日まで◆

思い返してみると、6月に2,300kmの乗り込みを行い、そのまま7月も突っ走り、忙しくなったはずの8月でさえもトレーニングのボリュームは落ちていなかった。

今年は外に出られず室内で高強度トレーニングを行う頻度が高かったことも関係しているとは思うが、忙しいまま乗り込み量も減り、9月に入って調子が落ち始める。

走っていてもなかなか調子が上を向かない。

そうやって焦っているうちに、9月の終わりに右膝を痛めた。

今までは少し休めばすぐによくなっていたので、今回も楽観視していたのだが、一向によくならない、明らかに今までよりも長引いている。

元々加須TTの1週間前に数日間乗れなくなる期間が予定に組み込まれており、さらに焦る。

なんとか膝の痛みも引いて、数日で無理やり走れる調子にして、当日までこぎつけた。

今後も長く続けるであろう自転車人生において、ときにはこういうこともあるさ、と自分に言い聞かせながらのローラー台は、毎回なんとも言い難い感情だった。

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チェーンも出来る限りキレイにして

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バイク重量は7.18kg、ボトルケージも外すので7.14kgほどになる

◆当日◆

5:00起床、体重70.5kg、体脂肪率7.3%、起床時心拍数39。

時間が早いので朝食の量を少し多めにして5:50出発、会場の入り口の車止めに苦戦しつつ7:00前には到着。

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毎度の運搬風景

あとはウォーミングアップだけすればいいように、着替えや用意を済ませて、8:00に受け付け&出走サイン。

チームメンバーと談笑の後、ウォーミングアップを開始すると、やっぱりというか残念というか、思った以上にパワーが出ない。

絶好調を100としたら、調子は70くらい、ベスト状態から1枚見えない膜がある感覚、足は重くないのにギアが重く感じる。

心当たりしかない、というかこの状況下ではどうしようもないので、少し軽めの負荷でいつもより少し長めに足を回す。

192KJほど、TSSで言うと12.5ほどを、18分かけて。

 

◆レース前&作戦◆

作戦、というか作戦なんてあってないようなもの。

コースは超ウェット、水たまりのオンパレード、距離は14kmのド平坦、おそらく20分かかるかかからないか。

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乾いている部分の方が少ないくらいウェット、北西の風

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レース後の画像だけど、泥まみれ

作戦は特にないけれど、気にしなければいけない点、頭に入れておかないといけない点はいくつかある。

1番は風向き、7kmの直線を往復するので往路は向かい風、復路は追い風。

それを念頭に置いて、速度とケイデンスとパワーに注意して。

心に余裕を持って走ること、いっぱいいっぱいで走っていたら気づけるものも気づけなくなる、冷静に。

経験上、心拍数はほっといてもなんとかなるので、ケイデンスとパワーのバランス、しっかりと自分がその瞬間に走りやすい回しやすい回転で走ること。

当たり前のことだけれど、落車は絶対にしないこと。

タイムトライアルは自分の限界値ギリギリで走っているため、落車をすると大きな怪我に繋がったり被害が大きくなったりすることが多い。

身体の余計な部分に力を入れたり、変に力まずにリラックスした状態で走り、常に路面状況や風向きに注意しつつ、ペースをコントロールすること。

言われてみれば当たり前だが、実際に走ると頭から吹っ飛んででしまっていることもある。

実は昨年の失敗というのはコレで、最後まで垂れないように抑えめで走り始めたら、余力を残した状態でゴールしてしまった、とてももったいなかった。

走る前にしっかりと確認して、頭の中から飛んでいかないようにすることが、とても大切。

できることなら、前半は350w、後半は360w以上を目安として走りたいところ。

 

◆レース中◆

スタートしてすぐにあった水たまりで、少し後輪が滑る。

ただ、水たまりと泥に関してはある程度予測はできていたので、気にするほどの被害もなく、足に一気にダメージを与えないように軽いギアから徐々に重くしていく。

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これだけ泥だらけだと、滑りもする

スタート直後の、向かい風と速度とパワーとケイデンスを自分のペースに合わせるのが今回1番難しかったように感じる。

なかなかリズムに乗れず、少しの間400w近くをウロウロしてしまった。

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パワー推移

なんとかリズムに乗り始めたところで1人パス、15秒感覚でスタートするので走力差によってはすぐにパスすることもある。

ただ、ここまでで思った以上に突っ込んだ走りをしてしまった、後半に若干の不安が残る。

そこからは向かい風なのであまり速度を気にせず、できるだけ上体を低くしてペースを保つことを意識する。

だいたい40km/hを少し下回るくらい、風が強くなった区間は37km/hほどまで速度は落ちたけど、気にしない。

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速度推移

また1人抜かせそうなところで、折り返し地点、Uターン。

……いやおかしい、感覚よりも短い、まだ7kmも走っていない。

コースを間違えるわけはないので、そのまま走る、すぐにまた1人パス。

追い風の恩恵を受け、47km/hほどで走っていく、ギアはしっかりと確認したわけではないが、13か12には入っていたと思う、もう1人抜いた気がする。

この辺りはいろいろと記憶が曖昧になってきていて、それは残念ながらレース前に心がけようとしていた余裕がある走りができなくなっていたことを意味する。

心拍数は185付近で固定されていたし、上体を低くしようとはしていたけれど、もうなんとか垂れないように、フォームなんて気にする暇もなく気合いと根性という言葉がピッタリな走りになっていた。

TTの終盤なんてそんなもん、でもある、けど、もう少し意識をハッキリさせて走りたかった。

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心拍数推移

遠くにゴール地点が見えてきた、と思ったら残り500mの看板が立っていた。

いや絶対に14kmも走ってない、と確信はあったものの、残り500mしかないので残っている出せる限りの力を全て出した。

残り500mは37.8秒、NPで385w、48.4km/hだった。

見返してみると、これしか数値が出てないものか、と思う。

でもハッキリと覚えていることがある、限界だった。

 

◆レース後の……?◆

今回は密を避けるために表彰式やリザルトの貼り出しはなく、即座に結果がネットにアップされる形式だった。

走り終わって車まで戻り自分のリザルトを確認すると、見事優勝、平均速度は49.52km/h。

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……

……は?

自分のサイクルコンピューターを確認すると平均速度は42.5km/hの表示があった。

意味が分からないままクールダウンを開始し、ふと気がついて計算してみた。

タイムは16:57:58、このタイムで14km走った場合、確かに平均速度は49.52km/hになる。

そしてタイムをそのままに、距離を12kmにすると、なんと平均速度が42.5km/hになった。

辻褄があった、今回は14kmのはずが、何かの手違いで6km往復の12kmになってしまっていたのだった。

確かに確認できた距離表示の看板は、スタート後から2.5km地点と、ゴールまで500m、300m、100mの地点のみだった。

距離が違うので単純に昨年との比較はできなくなってしまったが、速くなっているのは明らかで、その結果が優勝という形になったので、それはよかったと思う。

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盾は優勝者のみということで、ありがたく頂戴いたしました

 

◆振り返ってみて◆

まずは自分の限界ギリギリを攻めた上で、落車やトラブルもなく無事に終えることができたのは、何よりもよかった点だと思う。

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限界ギリギリな心拍数

走りに関しては、やはり余裕が持てなかった。

ウォーミングアップからスタートまで、少しバタバタしてしまった感もあった。

限界を攻めるんだけど、どこか冷静に今の自分の走りを見て、今はこうした方がいい、ああした方がいい、と頭を回したかった。

もちろん残り3kmとか2kmとかは気合の世界になるけれども、そこからもう1段階上げることができれば、とも思った。

走り始めて思ったのは、やっぱり本調子ではなかった、アップの際に感じた感覚は正しかった、ということだった。

身体のダメージ的にも走ってる最中の感覚的にも、全体的にあと10wほど、速度ももっと出ているような感覚だったが、実際はそうでもなかった。

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もう少しイケたんじゃないか、なパワーゾーン

順位は相手がいる相対的なものだけど、数値は絶対的なものだし、今回のようなレースと言いつつカテゴリーで距離が変わらない記録会のような面を持つイベントでは、絶対的な面にも拘っていきたい。

そういう意味では、今日は100点満点ではなかった。

走る前は前半350w、後半360w以上で、と思っていたが、確認すると前半で361w、後半で373wだった。

そこは達成できている、ということはそれだけ風でペースを作りづらかったということでもあり、走り方やフォームを改善できるということでもある。

伸び代はまだあることが確認できた、まだ強くなれる。

FTPの伸び率は緩やかにはなったが、他の部分もまだまだ強化できるはず。

また少しずつ積み重ねて、来年も参加しよう、そのときは「こいのぼり杯」として。

そして開催していただいた埼玉車連並びに関係者の方々に感謝を、ありがとうございました。

……TTバイク欲しいなぁ。

 

◆レースデータ◆

Time:16:57:58

Dis:12km(本来は14km)

AV.Sp:42.5km/h(公式では49.52km/h)※下に追記あり

MAX.Sp:49.4km/h

AV.HR:181bpm

MAX.HR:187bpm

AV.Cad:89rpm

AV.Pw:363w

MAX.Pw:638w

NP:365w

EG:369KJ

 

【順位】

1位(9人中)

 

◆追記◆

しばらくしたら、公式記録も正確な距離で計算し直してくれたらしく、平均速度も変更されていた。

公式記録によると、平均速度43.16km/hとのこと。

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修正済み公式リザルト