Ken Murata のレースレポ

Instagramから避難させました、主にレースレポです

2021.11/7「第2回しろさとTT200」50km部門

元々1人で走っていたこともあり、タイムトライアルは好きで。

他人との駆け引きがないから気持ち的にラク、と言ってしまえば言い方は乱暴ですが、要はペース配分やコーナリングのライン取りなど、自分との戦いに集中できるのが好きなようです。

そんな中、今回は自己最長であるタイムトライアルの距離を走ってきました。

初めてのことばかりで、予想外のアクシデントも重なり、学ぶことが多いレースとなりました。

f:id:kenmurata:20211108202600j:plain

 

◆当日まで◆

レース的なイベントは富士ヒル以来。

実は富士ヒル以降、燃え尽き症候群のような症状に陥り、乗ろうにもモチベーションが上がらず、さらに仕事も超繁忙期に入ってしまい、身も心も疲労し……という悪循環に。

フィジカルはどんどんと落ちていき、正直なところ、ベストとは程遠いコンディションでした。

とは言え、なんとか持ち直そうと、ZwiftではSSTなどFTPに刺激を入れるメニューをメインに、実走では後述するニューマシンに慣れるために低強度でも乗り込む作戦に。

f:id:kenmurata:20211108202532j:plain

f:id:kenmurata:20211108202542j:plain

SST強度で10分耐えたり、流行りのCarsonもどきをやってみたり

平坦TTとは言えレースなので、体重も少しは絞ろうとしたのですが、まぁ見事に失敗。

グリコーゲンの貯蔵という意味ではよかったのかな……。

f:id:kenmurata:20211108202646j:plain

本当に減量していたのか疑問になるほどの数値、たぶんレースに復帰してから過去最悪

ただ、メニューをこなしているうちに、だんだんと調子が上がってくる感覚は確実にありました。

先週は完遂できなかったメニューをギリギリクリアできたり、心拍数が上がらなくなったり。

明らかに余裕が出てきていたりもしたので、少しでもベストに近づけるようにトレーニングを続けました。

 

◆使用機材◆

今回、しろさとTTに合わせてニューマシンを導入しました。

それがこちら↓

f:id:kenmurata:20211108202609j:plain

SCOTT Plasma 10 2016

フレーム:SCOTT Plasma4 HMF L(56)size

ベースバー:PRO Missile Basebar

DHバー:PROFILE DESIGN SONIC/ERGO/4525a + Aerobar Bracket RiserKit 20mm

ブレーキレバー:PROFILE DESIGN 3/One AL

シフトレバー:Shimano SL-BSR1

ステム:ノーメーカー -17° 70mm

バーテープ:Syncros Bartape SuperLight

サドル:PRO AEROFUEL

F/R ブレーキ:Shimano BR-R8010-F / BR-R8010-R

F/R ディレイラーShimano FD-5801-F / RD-6800-GS

チェーン:Shimano CN-HG901

カセットスプロケットShimano CS-6800 11-25T

ボトムブラケット:TOKEN BB4130S

クランクセット:FSA Powerbox ABS ALLOY 172.5mm 53/39

ペダル:TIME Xpro10

F/R ホイール:Fulcrum SPEED55T / Fulcrum SPEED360T

F/R タイヤ:Michelin PowerCompetition TU 25C / Michelin PowerCompetition TU 23C

ボトル&ケージ:KIT CRONO CX

f:id:kenmurata:20211108202548j:plain

みんな大好き実測重量は約8.8kg

初のTTバイクです。

恐らく長年SCOTTのTTバイクとして有名だったのがPlasma5、最新のトライアスロン専用バイクとなったのがPlasma6、そのPlasma5の廉価版として汎用ステムが使えるようになっているのが、このPlasma4です。

ヘッドチューブが長かったり、ノーマルなブレーキを使用していたり、ユーザーフレンドリーではありますが空力的にはどうなのでしょう……と思わせておいて、チェーンステーやBB周りの造形は、TTバイクらしく空力を考えられたスタイルとなっています。

TTバイクの変速は機械式でいいだろ、とか最初は思っていたのですが、乗れば乗るほどにTTバイクこそ電動変速が必要だな……と思うようになりました。

ポジション出しの部分でも、電動の方がかなりアドバンテージがありますね。

ノーマルバイクでは175mmのクランク長なのですが、TTバイクは172.5mmだったり、タイムトライアル用ではなく敢えてロード用のタイヤにしていたり、細かいこだわりはあります。

前後でタイヤ幅が違うのは、リム幅に合わせているだけなのですが。

ステムはまだポジションが固まっていないので、借り物のノーメーカーのステムです。

工場直販物なのでメーカーがついてないだけですが、普通のアルミのステムです。

 

◆作戦◆

ノーマルバイクよりもパワーが出ないのもあり、50kmのTTという未知の部分もあり。

f:id:kenmurata:20211108202522j:plain

公式サイトより拝借、会場は城里町にある自動車のテストセンター、1周約5.7km

全体的に抑え気味、ケイデンスは少し高めで余力が残っていたら上げる。

もちろん落車は絶対なし、TTは必死になって走っている上に高速域なので落車したら一大事になりやすい、ということでご安全に。

 

◆当日のアクシデント◆

4時起き5時出発、途中トイレストップもあったりで6時50分ごろに無料駐車場の古内小学校跡に到着。

会場までは2.8kmの登りということで、アップ用のローラー台も持って行かなかったのですが、やっぱり必要なかったですね。

7時35分ごろに会場に到着し受付を済ませて8時の集合にピッタリジャスト、の予定だったんです。

受付に行くと、なんと計測チップがない。

どうやらスタッフさんが違う人に違う計測チップを渡してしまったらしく、ワタクシの計測チップが行方不明に、そんなことある?

で、急遽1001番として走ってください、となったんですが、ここでさらに問題発生。

背中のゼッケンを1001番に付け替えて欲しかったらしいのですが、お恥ずかしいことにワタクシはゼッケンをつけるのが超絶苦手でして、前日も40分以上かけてなんとかゼッケンをつけたんですね。

で、集合時間まであと5分。

さすがにもう時間がないですスイマセン、となり、ゼッケンはそのままで計測チップだけ1001番として出走の許可をいただき、なんとか事なきを得ました。

いやぁよかった……というか結局計測チップ誰がつけてたんでしょうね?

そして8時20分ごろに出走、1週のパレードランからの8時30分ごろにリアルスタート。

f:id:kenmurata:20211108202620j:plain

集合場所から1人ずつ時間差スタートなので、集合してからも少し時間があります

 

◆レース中◆

1周目は様子見、タイムは8:05。

以後はこのタイムを基準に走ろうとペースを刻んでいくことに。

コース的にはフィニッシュラインの手前から緩い登りがあって、フィニッシュラインを超えたら少し長めの下り、登り返して第1コーナーから第2コーナーに入る手前くらいでフラットになる、という感じ。

f:id:kenmurata:20211108223100j:plain

公式サイトの画像に勝手に手書きする暴挙、赤が登りで青が下りの部分 (記憶が正しければ)

2周目にその第2コーナー付近でアクシデント、バイクや係員が集まって誘導をしている。

なんと落車があったようで、見た感じ恐らく接触事故で2人落車、1人は動けず路面に横たわったままの、大きな落車。

短いTTは心拍数も高くなり判断力も鈍る、長いTTは集中力を続けなければいけない、そしてどっちも高い速度域になるので落車が起こると大きな事故になりやすい。

出走前に心がけていたことでしたが、いざ目の前で起こるとゾッとするもので。

その後コース内に複数の緊急車両が入り、処置や検証が行われていました。

いやぁ、落車の痛みや苦しみはよく知っています、怪我をされた方の早い回復を願っています。

2周目から4周目は順調なペースで走っていましたが、なぜか5周目と6周目で若干タレる。

まぁ半分過ぎたあたりってちょうど集中力的にも厳しい時間帯ですしね。

7周目に入ると、ラスト3週になったことで、若干気合が戻る。

が、このあたりで異変が、非常に足が残っている。

完全にやらかした、抑え気味でいこうとは思っていましたが、抑え過ぎて体力にかなり余裕が。

ここから上げようにも、ずっとこのペースで走っていたこともあってなかなか上げづらい。

最終周は無理やり踏んだ部分もありましたが、そのままゴール。

なんとなんと予想外、抑え気味で走って余裕があったら上げていくはずが、上がらずそのまま余裕を残してゴール。

完全にペース配分をミスる事態となってしまいました。

f:id:kenmurata:20211108215132j:plain

各周回のタイム
1周目は様子見、2~4周目はペース維持で、5,6周目は集中力をなくし、7周目から焦る

◆反省◆

兎にも角にも、ビビってしまっていたことが大きいです。

50kmのTTという距離、ノーマルバイクに比べてパワーが出ないTTバイク、じゃあどうすればいいかと考えた末に抑え気味で行こうとなったわけですが。

抑え気味にして、少しずつ上げていくところを、上げずにペースを保ったままレースを進めてしまったのが悔やまれます。

もっと突っ込んでよかった、追い込みきれなかった、というのが1番の反省です。

結果的に、50km部門全体では9位、入賞者を除く年代別では1位となりましたが、もし追い込めていれば、突っ込めていれば入賞争いができたのではないか、と思ってしまいます。

f:id:kenmurata:20211108202642j:plain

記録証もオンラインで!

ただ、思い返してみると、初めて出たタイムトライアルの、加須TTも最初は抑え過ぎてタイムが伸びなかったんですよね。

それを考えると、どうもタイムトライアルでタレるのが怖くて抑え気味になってしまう傾向があるのかもしれません。

ということは、次回参加したらもっといいタイムが出るということで。

これも経験の内、勉強になったと思いましょう。

 

◆最後に◆

感染者数が減少傾向にあるとは言え、世界規模でいまだに新型コロナウィルスの混乱が続いている中で、感染対策を徹底し、開催していただけたことは本当にありがたいです。

今回参加してみて、始まりと終わりは簡潔ではあるものの、運営やスタッフの方々の誘導は非常に的確で、安心して参加できました。

何より、走っていてとても楽しかったです。

悔いも反省もたくさん残りましたので、次回開催されることがあれば、また是非参加したいと思います。

 

◆レースデータ◆

Time:1:11:28

Dis:51km

AV.Sp:42.9km/h

MAX.Sp:51.6km/h

AV.HR:168bpm

MAX.HR:175bpm

AV.Cad:93rpm

AV.Pw:282w

MAX.Pw:611w

NP:285w

EG:1,212KJ

 

【順位】

総合9位(101人出走)

年代別1位

 

2021.6/6「富士の国やまなし Mt.富士ヒルクライム」主催者選抜クラス

2年ぶりの開催になった富士山ヒルクライム、通称富士ヒル

去年は65分を切るタイムのゴールドクラスを狙っていたのだけど、あえなく中止に。

その思いもあり、今年こそは必ずやゴールドを取る!

という意気込みが、まさかあんな結末を招くとは……。

f:id:kenmurata:20210609215602j:plain

 

◆前日まで◆

3月から富士ヒルに向けてスタート。

室内トレーニングではSSTFTP走、流行りのCarsonを自分なりにカスタムして勝手に名付けたMyCarson、と日替わりでFTPアップのメニューをこなし、実走では全開走や登り練習など、とにかく富士ヒルにフォーカスしたトレーニングを積みました。

f:id:kenmurata:20210609215530j:plain
f:id:kenmurata:20210609215518j:plain
FTP走やMyCarson(勝手に命名)でFTPアップを

3月の終わりからは減量も開始。

今までもデータを記録することは好きだったので、自分の傾向から、脂質をとにかくカットしてたんぱく質を意識して大量に摂る食生活へ。

f:id:kenmurata:20210609215650j:plain

母に相談したら、なぜか母の方がやる気になり、たんぱく質たっぷりサラダを。

ありがたや。

炭水化物は特に意識していませんでした。

甘いものを食べたいときは、洋菓子ではなく和菓子を選ぶように。

元々和菓子好きだったので全く苦ではなかったです、あんこ最高。

その結果、FTPも約20w上昇、体重は7.3kg、体脂肪率も約3%ほど落とすことに成功!

f:id:kenmurata:20210609215909j:plain

73.3kgから66.1kgへ

試走のタイムはそこまでよくなかったのですが、過去最高に仕上がった状態で意気揚々と山梨県に乗り込んだのでした。

f:id:kenmurata:20210609215851j:plain

Vo2MAXも過去最高値、78に

 ◆前日◆

当日の早起きに対応するために朝5時に起きて自転車の整備。

f:id:kenmurata:20210609215856j:plain

前日の身体データ、過去最高にキワまってきてる!

車に荷物を詰め込んで出発、途中で一緒に参加するチームメイトを拾いつつ。

中央道で見事に事故渋滞に捕まり、なんだかんだ3時間半くらいかかったのかな、普段は2時間もかからないのに。

という流れで、13:40頃に駐車場に到着。

今回は当日の駐車場がドギーパーク(スバルランド)だったので、その下見も兼ねてドギーパークに車を駐めて会場へ。

受付を済ませて5合目行きの手荷物も預けたら、サイクルエキスポを散策、マグオン購入。

f:id:kenmurata:20210609215818j:plain

マグオン購入、りんごフレーバーが好み

ここ最近足攣りが頻繁に起こるようになっていたので、その対策を第一にして、水分もわざと多めに摂ってウォーターローディングを狙っていました。

あとは合間合間にちょくちょく和菓子を摘んでカーボローディング、バナナにも大いに助けられました。

f:id:kenmurata:20210609215805j:plain

足つり対策に

会場を後にして宿に一度荷物を置いてから夕食へ。

それから買い出しに向かったのですが、なんと近くのコンビニの食料がスッカラカン

みんな考えること同じすぎでしょう、ってことで地元のスーパーに行って無事に食料調達完了。

21:20頃に就寝。

f:id:kenmurata:20210609215740j:plain
f:id:kenmurata:20210609215712j:plain
f:id:kenmurata:20210609215728j:plain
前日夜はたくさん食べてカーボローディング これが大失敗になるとは……

 

◆作戦◆

光栄なことに主催者選抜クラスに選んでいただきましたが、優勝争いができるとは微塵も思っておらず。

ただ、タイムを出すにはそれなりに集団についていかないといけないとも思っていました。

1合目まででも、なんとか集団についていければ目標のゴールド獲得に大きく前進するだろうと読んでいました。

なので前半耐えてなんとか集団で過ごし、後半からの勝負、という作戦でした。

それが裏目に出るとは思いもよらず……。

f:id:kenmurata:20210609215701j:plain

ゴールドゼッケン!

◆当日◆

3:30起床、0:30頃に1度トイレに起きた以外はよく眠れていたようです。

f:id:kenmurata:20210609215922j:plain

2年前もそうだったけど、なぜか富士ヒル前日はよく眠れる、起きるの早いのに

起床時心拍数が高めなのが少し気になったけど、標高が高いから、でしょうたぶん……。

f:id:kenmurata:20210609215929j:plain

普段は36~39、調子がいいと33~35、なので40は個人的に少し高めな起床時心拍数

というか鼓動の形もかなりおかしい

朝食は買い込んだパン、たんぱく質も摂取するか悩んだけど、お腹の容量的になしに。

f:id:kenmurata:20210609215754j:plain

カニカマやういろうは食べてませんが、十分すぎる量

準備は前日にほぼ済ませていたので、着替えて荷物をまとめて駐車場へと出発。

 宿から駐車場までは10分ほどで到着して、だいぶ余裕があったのでゆっくりトイレに並んだり。

ウォーミングアップはいつものメニュー、軽いギアから足をクルクル回して徐々に負荷を上げていって自然と心拍数も上げていくスタイル。

ほどよく心拍数も息も上がるところで終了、準備万端。

レース用のジャージに着替えて、スタート地点へ。

f:id:kenmurata:20210609222218j:plain

準備は整った、あとは戦うだけ!

◆レーススタート!◆

と、思いきや、なんとここでサイコンがバグる。

勝手に電源が落ち、そのまま回復せず、電源を入れても画面が固まったまま動かず。

最悪だ、このタイミングで故障とか、と思っているとスタート5分前のアナウンス。

あぁ、仕方ない、パワーとかのログは取れないし、タイムも終わってみてからのお楽しみになるけど、諦めるよりかはマシだ。

という気持ちのままスタート、パレードランで少しづつ登っていく。

リアルスタートまであと500m、というところで奇跡が。

なんとサイコンが起動した!

ちゃんと動いてる!!

というかなんだったんださっきまでの!! !

気づいたら若干集団の位置を落とし、リアルスタートまであと300m、再度気持ちを入れてリアルスタートへ。

 

◆レーススタート!!◆

計測地点を通過してリアルレース開始、とスタートしてから20秒ほどでファーストアタック。

集団内からも驚きの声が上がる、料金所までは静かなままだと思った。

結果を先に言うと、このファーストアタックがなんと最終列車だった、優勝した池田さんもこのアタックに乗っていた。

アタックで数名の逃げができ、集団からは料金所を過ぎた付近で追走の動きが出たことによって、集団の速度が一気に上がった。

いや、かなりキツイ、パワーは6倍付近をウロウロしてる。

この時点で遅れる選手が出始め、なんとか集団に残ろうと中切れを埋めながら集団後方にぶら下がる。

スタートから3km地点で、また一段と速度が上がり、遅れる集団とメイン集団に完全に分断されそうになった。

力を温存、とか言っていられる状況じゃなくなってしまったので、集団に残るために足を使い続ける。

と、ここで胃に違和感が。

お腹が痛くなるにしても普通は腸とか少し下の方、それか脇腹じゃない?

と思いながらダンシングしていると、一気にギュッっと胃を握り締められたような不快感、実際に握り締められたことないけど。

その瞬間、急激に強烈な吐き気が。

なんだこれ、と思ったのも束の間、血の気がサッと引いて目眩が。

あ、ダメだこれ、吐く。

気がついたらレースの監視員に手を挙げ、自転車から降りていました。

f:id:kenmurata:20210609222504j:plain

スタートからリタイアまで

◆3.8km地点、リタイア◆

監視員の人が言うには、既に顔が真っ白どころか真っ青になっており、呼吸の仕方も異常。

心拍数はもとより血圧が異常なのでは、ということを話していてくれたと思います。

しばらくするとバイクの循環監視員も止まってくださり、この後の話を。

分かっていたことだけど、これから参加者がどんどん登ってくるから、12時頃にならないとここからは下れない、第一関門まで行けばバスで下れるけど、そこも下山は12時頃になる、ちなみに今7時前。

1番現実的なのは、このまま少し休んで回復したら、ゆっくりでもゴールまで行くこと。

なんとか走れるまで回復しそうだったので、ゴールまで登る選択肢を選び、約20分の休憩の後、また登り始めました。

f:id:kenmurata:20210609223010j:plain

なんとも贅沢な、富士ヒル本番での5合目までのサイクリング

全くペースを上げず、胃の不快感と時折の痛みを抱えながら。

かなり長い時間後ろにピッタリついてきた人がいたり、平坦くらいは上げてくか、と飛ばしたり、ゴールする直前に割り込み&斜行してきた輩がいて危なかったくらいしかハイライトはないですが、無事にゴール。

リタイアしたけど完走、というよく分からないことになっていますが、富士ヒルの完走率が高いのは、こういう人がいるからでしょう、下山に時間がかかるからとりあえずゴールまで登ると言う。

公式記録は2時間2分。

荷物預かりでチームメイトと合流し、同じ組で下山しました。

f:id:kenmurata:20210609215829j:plain

 

◆振り返ってみて◆

3ヶ月間、この富士ヒルを目標にしてトレーニングを詰んできて、2ヶ月以上に及ぶ減量を敢行し、体調不良でリタイアです。

あれだけ気合入れて、主催者選抜クラスにも選ばれて、終わり方がこのザマか……と思う気持ちもあります。

が、実は悔しさよりもスッキリした気持ちの方が勝っていました。

例えばの話、膝に痛みが出た、ふくらはぎが攣った、などの身体異常だったら、無理してでも走っていたと思います。

そして満足のいくタイムが出せずに終わり、悔しがったと思います。

しかし今回は、無理をするしないの話ではなく、もう動けなくなって何もできなくなる状態、もう走ると言う選択肢がない状態になってしまったので、仕方ないかな、と素直に思えました、どうすることもできないわけですから。

体調不良の原因と予測されるものををいくつか上げてみると

 

・急激な心拍数の上昇

・急激な心拍数の上昇に伴って急激な血圧の上昇

・自覚のないストレス

・減量による胃への負担

・前日からの脂質の急激な摂取

 

という感じになります。

アップは十分に行ったのですが、標高が高い場所での心拍数の急上昇は、普段の標高の場所とは全く違う意味を持ちます。

血圧は監視員の方に言われたことですが、思い当たる節があり、下山してすぐに母に電話をしました。

母は高血圧で体調を崩すことが今までに何度かあったので、その症状や傾向を聞きたかったのです。

すると、吐き気や目眩と言った症状が出るとのこと。

可能性としては十分にありそう。

もしかしたら、起床時心拍数が高かったのも、標高のせいもあるだろうけど、この予兆だったのでは?

ストレス、胃への負担、脂質摂取は、知人と話していて気づいたことです。

私はレースの1~2週間ほど前から、ソワソワしたりピリピリしたりする感覚がどうも抜けず、それを周囲に漏らさないようにしようと溜め込むクセもありまして、それで無意識的にストレスを溜めてしまったのではないかと。

また、脂質を徹底的にカットする減量方によって、栄養バランスが偏った結果、それが胃に負担をかけ、前日のカーボローディングという名の暴食によって爆発したのではないかと。

そう言われると、非常に説得力があります。

私自身、胃の強さには自信があり、ウィルス性の胃腸炎くらいでしか胃を壊したことがなかったのですが、確かにそろそろ身体を労らなければいけない年齢になってきているわけです。

徹底的に心身を追い込んだ結果、悪い結果がいくつも重なり、あの瞬間に出てしまった、というのが結論です。

体調を管理できない者がレースに参加していい結果を残せるわけありません。

もちろん残念ではありますが、自分の調整ミスによって引き起こした事態です。

しっかりと反省して次に生かそうと思います。

 

◆その後◆

少しの間、自転車に乗らないように、お休み期間を設けています。

1週間ほどになるとは思いますが、しっかり休んで、また次のレースに向けて頑張ります。

f:id:kenmurata:20210609215841j:plain

全く気にしないで食べたいものを食べるのも久々なきがする

来年の富士ヒルは出るか未定です。

これまでだったら、富士ヒルが終わったらまた来年の富士ヒルで!という気持ちになったのですが、今回はその気も起こらず。

まだ時間はありますから、ゆっくり考えたいと思います。

最後になりますが、いろいろな意見が飛び交う中、開催してくださった関係者の方々に感謝を。

やっぱり富士ヒルは、みんなが頑張れて、みんなが楽しめて、とてもお祭りムードがあって楽しいです。

このご時世ですから、中止になるのではと、いつも思っていました。

自分自身の結果は残念なものでしたが、開催していただきまして、ありがとうございました。

もし来年出ることになったら、それこそまたパワーアップして、ゴールドを狙いたいと思います。

f:id:kenmurata:20210609215627j:plain

 

【結果】

3.8km地点DNF

公式記録:2時間2分完走

2021.5/23「第15回加須タイムトライアル・ロードレース大会」16-39歳

春に戻ってきた加須TT、戻ってきただけでなく距離も20kmとパワーアップ。

日本のホビーレースでこれだけの長い距離のTTは滅多にないので、本当にありがたい限りです。

個人的には、富士ヒル前の仕上がりを確認する意味でも絶好の場であり、得意としているTTで思いっきり実力を出せる場でもあり、もちろん全力で挑む心持ちでいました。

f:id:kenmurata:20210525215638j:plain

 

◆当日まで◆

第一の照準は富士ヒル、そのために数ヵ月前からしてきた準備諸々……はまた後日富士ヒルのときにでも。

クライマーではないので、体重もゆるやかに落としつつFTP強化のためのメニューをひたすらこなし、この加須TTでさえも、全力を尽くす一方で富士ヒルに向けての状態と仕上がりの確認の場にしようと考えていました。

微妙な風向きと1%にも満たない路面の傾きとその状態、そして何より自分との戦い……。

今こうやってレポを書いてる最中でも、自分はTT好きなんだなぁって感じます。


◆当日◆

5:40起床、体重68.7kg、体脂肪率8.3%、起床時心拍数は34。

f:id:kenmurata:20210525215721j:plain

当日の起床時の身体データ byタニタ

f:id:kenmurata:20210525215716j:plain

起床時心拍数、34

朝食はオーバーナイトオーツにはちみつを入れ、大福、バナナ、オイコス、と言った炭水化物メニュー。

f:id:kenmurata:20210525215557j:plain

The・甘党メニュー

6:45に出発して、車中でバナナを食べたりモンスターエナジーの青を飲んだり。

コンビニでのトイレストップを経て7:50頃に会場到着。

f:id:kenmurata:20210525215609j:plain

素晴らしい曇り空、路面ウェット、ここから段々と日差しが出てきます

7:30に駐車場オープンだったと思いますが、既に結構な数の参加者の方々が。

カフェインを多めに摂取したので、小まめにトイレに行きつつ受付も済ませつつ、ゼッケンをジャージに貼って着替えてウォーミングアップ開始、いつものジワジワ上げていくスタイルで。

タイヤドライブ式の固定ローラーでアップをしたのですが、スピードセンサーを忘れてきてしまい、正確な数値が出なかったので、おそらく15分くらいでTSS15の200KJくらい、だったと思います。

f:id:kenmurata:20210525215624j:plain

500番台の第1出走

◆レース前&作戦◆

 前回の加須TTは怪我明けでリズムもうまくつかめず、最初から最後まで120%で走りきった、くらいの感覚でした、そんなわけないのですが。

レース本番となるとアドレナリンも出て突っ込みすぎてしまうことも多々あるので、感覚的に体の状態を捉えていくこと。

風向きによってはきつくなる場面も必ずあるとは思いますが、それは誰もが同じ条件なはずなので、必死になりすぎないこと。

コースは西へ10km走って折り返して東へ10km、の走行距離20km、前日の雨で路面状況はかなり悪く大きな水たまりがいくつも。

f:id:kenmurata:20210525215740p:plain

実際に走ったコース図、ブレーキなんて折り返し以外では使わない

余裕がない走りをして路面状況を見極められないことにならないように、常に走行ラインには気をつけること。

f:id:kenmurata:20210525215543j:plain

車両重量は7.19kg、毎回レース前は計るけど当然ながら毎回ほぼ同じ

 

◆レース中◆

スタート直後は気が早っていたこともあり、400w前後で推移、2分ほど経ってようやく落ち着いて350~370wほどに。

f:id:kenmurata:20210525215527j:plain

スタート時 Photo by 埼玉車連

風は若干吹いていて、おそらく南西の風1~2m、そこまで気にするほどでもないけど、向かい風でヤケに踏みすぎないようにギアチェンジのタイミングを見計らってケイデンスの上下を少なくしてペースで。

走っていると、ところどころで大きな水溜りがあり、避けれるものは避けて、避けれず突っ込むものもできるだけ水が少ない箇所を選んで通過する。

今回ツイていたのは、出走順が1番先頭だったので、途中で誰かを抜かす手間が省けた点、必死で走ってると声出して抜いていくのも大変なので。

f:id:kenmurata:20210525215532j:plain

前に誰もいない先頭出走、後ろにはバイクが Photo by 埼玉車連

慎重に折り返してあと半分、折り返してからの方が水溜りは少なかったかな。

ただ、往路は所々に白いラインというか小さい減速帯があり、そこに乗るとモロに衝撃が来るので、できるだけそれも避けて通る。

徐々にペースを上げようとしたけど、思っていたよりもキツイ、残り5km地点が1番キツかった。

f:id:kenmurata:20210525215522j:plain

今回のTTで1番いい写真 Photo by 埼玉車連

それでもなんとかペースを維持して、ラストは無理矢理にでも上げていってゴール。

28分09秒。

 

◆振り返ってみて◆

 ノーマルバイクでの参戦だったので、表彰台は全く気にしていなかったのですが、クールダウンをしているとまさかの3位のアナウンス。

しかも1位と10秒差、ということで後からジワジワと悔しい気持ちが……。

f:id:kenmurata:20210525215726j:plain

まさかの3位

ということで1人反省会、よくなかった点から。

ペース配分がうまくいっていなかった気がする。

20kmという距離のTTが初めてだったこともあるけど、ペース配分がうまくいかず、最初から最後まで95%くらいの力で走りきってしまったのではないかと不安が残った。

確かにあの場であの瞬間は全力で走ってはいたけど、終わってみて後々になって、もっと出せたんじゃないか……という不安に。

とか言って、たぶん10回走ったら9回は同じ結果になるんだろうけど。

最大心拍数も179と、まだまだ追い込める数値でもあった。

出力されたパワーを見ても、FTPの数ワット上程度に止まっていて、28分間走っていたのならもっと高い数値、具体的にはあと10wほど出ていてもよかったのでは。

f:id:kenmurata:20210525215732p:plain

走行データ、後半上げていく前にちょっとバラつきが

また、フォームも良くなかった。

後半になるにつれて頭が上がってきてしまう感覚があり、それをなんとか落とそうとしながら走っていた。

それとこれは難しい話だけど、頭と体はTTをやろうとしてるのに、肝心の自転車とそのポジションがノーマルバイクだったため、極端に前乗りしようとするとサドルがなくなることが何回もあった。

本当にTTだけに特化したポジションにするのならば、数センチ単位でサドルを前に出すべきなんだろうけど、ノーマルバイクだとさすがにそれはできない。

仕方のないことだけど、その割り切りはレース中にはうまくできなかった。

f:id:kenmurata:20210525215537j:plain

もっと上体を低くして走りたいし、走っているつもりだった Photo by 埼玉車連

よかった点はしっかりと路面状況を見極めながら走れたこと。

パンクも多発した今回の加須TT、実は白い減速帯から釘が出ていたことが後々になって発覚。

避けていてよかったと思うと同時に、それをキチンと避けれていたことはよかったことかな、と。

ケイデンス高めで走れたのは自分らしさが出せたのではないかと思う。

平均ケイデンス95、できるだけ90~100の間で走ろうとしていたので、自分の走り方としてはとてもいい数値。

それと今回は会場に到着してからの用意、着替え、アップまでの一連の流れが今までで1番スムーズだった。

スタート地点にも余裕を持って入れたし、そのおかげで緊張もせず、自然とレースに入ることができた。

路面状況の件もあったけど、余裕を持つことの大切さを身を持って感じることができた。

 

f:id:kenmurata:20210525215704j:plain

レース後、泥だらけになったので洗車

◆終わりに◆

成績とか全く気にしてなかったけど、いざ結果を知ると悔しいもので。

ここ数ヶ月集中して練習できているのもあるので、来年はもっと上の成績を狙いたいと思います。

2週間後には富士ヒルがあり、今回とは全く別物ではありますが、今回の反省とよかった点をうまく組み合わせて、いい走りをしたいと思います。

まだまだ新型コロナウィルスによる混乱が収まらない中で、開催してくださった埼玉車連並びに関係者の方々に最大の感謝を。

f:id:kenmurata:20210525215650j:plain

 

◆レースデータ◆

Time:28:09:79

Dis:20km

AV.Sp:42.6km/h

MAX.Sp:47.1km/h

AV.HR:174bpm

MAX.HR:179bpm

AV.Cad:95rpm

AV.Pw:370w

MAX.Pw:770w

NP:370w

EG:625KJ

 

【順位】

3位(10人中)

 

2021.2/21「2020-2021大磯クリテリウム第4戦」ミディアム1組目

まだまだ世界的に混乱が続いている中で、開催を続けている大磯クリテリウム

軒並みレースが中止や延期となってはいるものの、対策を万全にして、レースの場を提供していただけることは本当にありがたく、頭が下がります。

毎年大磯シーズンになると1度はどこかで参加したい気持ちもあり、2021年最初のレースとして、2月の大磯に標準を合わせました。

トラブルやアクシデントが続いたりもしましたが……。

f:id:kenmurata:20210222203851j:plain

 

◆当日まで◆

前回のレース、袖ヶ浦チャレンジが終わってから、12月と1月は基本的にベースを鍛えようと乗っていました。

FTPを上げる目的ではなく、その後の高強度に耐えられる体力と地足を整備するためのトレーニングって感じで。

f:id:kenmurata:20210222205658j:plain

淡々と同じ強度で一定走

f:id:kenmurata:20210222205650j:plain

ときどき刺激を入れつつも

2月に入る頃から強度を上げていって、2月21日の大磯に合わせよう、って計画でしたが、もう少し高強度の開始時期を早めてもよかったかな、とも思っています。

そうするとベーストレーニングからの切り替えを早くしないといけなくなるわけで……結果的にはこれでよかったのかな。

f:id:kenmurata:20210222203534j:plain

強度を上げてインターバル

f:id:kenmurata:20210222203526j:plain

1分間のインターバル

 

 ◆まさかの出来事◆

本番まで1週間を切った頃、母方の祖母が他界しました。

もう長くない、というような事は耳にしておらず、個人的には本当に突然で、信じられない気持ちでいっぱいでした。

職場にお休みをいただき、このご時世なので親族のみでの葬式と通夜でしたが、眠っている祖母を見ても現実とはとても思えず。

小さい頃は細かいことをたくさん注意され、優しくも厳しい方だと思っていましたが、大人になった今、ようやく言葉の意味が分かるようになったことがたくさんあります。

四十九日が終わって仏様になる前に、祖母に勝つ姿を見せたい。

その思いを胸に秘めて、当日を迎えることとなりました。

 

◆作戦◆

1周約900m、1周パレードランを含めた15周。

今回は苦手なクリテリウムということで、どうしてもスプリント勝負になってしまう可能性が高く、そうなると勝機があまりないのは明白でした。

ミディアムクラスになると実業団で走っている選手も多く、一発芸に優れた選手もいる可能性があったことから、もう無理矢理にでも自分の土俵に引きずりこむしかないかと。

f:id:kenmurata:20210222204312j:plain

大磯クリテリウム公式より画像拝借

スタートライン直後のコの字コーナー(平塚コーナー)

S字からのバックストレート

Uターン(小田原コーナー)からのホームストレート

具体的に言うと、前半は息を潜めて、後半から徐々に集中力を高め、最終盤に一気にアタックからのそのまま逃げ。

そのアタックも、誰かを引き連れてしまうとスプリント勝負になってしまう可能性があるので、一発で決める為の全力アタックからの単独逃げを狙うこと。

逆に言えば、単独で抜け出せたら絶対に負けない、くらいの気持ちでいきました、どちらにせよスロースターターなので序盤の方は何もできないでしょうし。

狙うのは小田原コーナーと言われるUターンの後、立ち上がりのダンシングが終わって集団がまたひとつにまとまりそうになった瞬間、一気に踏んでそのままゴールまで。

ラスト2周くらいが狙い目かな、ということで、スタートラインに立ったのでした。

f:id:kenmurata:20210222204051j:plain

当日朝の体内データ、体組成計を買い換えたので体脂肪率が高くなりました(涙)

f:id:kenmurata:20210222204057j:plain

祖母のこともありバタバタした結果、TSB高めのCTL低めに

 

◆レース開始直後のアクシデント◆

1周パレードランの後リアルスタートが切られ、一気に速度が上がったまま平塚コーナーへ。

少しスピード出しすぎじゃないかな?

と思った瞬間、前の選手がオーバースピードでコースアウト、自分も釣られてパイロンへと突っ込む、最悪すぎる立ち上がり。

落車もしなかったので止まりもせず走り続け、幸い集団もスピードがそこまで速かったわけではなかったので、しばらく集団最後尾をヒラヒラ。

まぁまだ始まったばかりだし、全然マイペースで走ってていいや、と思っていたのですが、見ていた知人はずっと最後尾だったので少しハラハラしていたとのことでした。

全然余裕だったんですけどね。

f:id:kenmurata:20210222203922j:plain

赤いパイロンに突っ込んだ黒とオレンジの自転車です

f:id:kenmurata:20210222203723j:plain

集団最後尾にて、下ハン握ってますが結構余裕で走ってます

 

◆最後尾からの最前線へ◆

開始5周ほど後ろの方を走り、そろそろ少しずつ位置を上げていくか、と思い前へ。

と言っても集団の真ん中から後ろ1/3くらいのところで静かにしていたのですが。

f:id:kenmurata:20210222203807j:plain

集団内部で静かに走る図

残り5周ほどになった頃でした。

自分のスイッチが入ったのか、それとも集団の空気が変わったのか、一瞬ピリっとした感覚がありました。

あ、ここは気を抜いちゃいけない場面だ、そう感じたのは確かです。

ここから一気に集中力が上がったのが自分でも分かりました、この空気に乗り遅れたら負ける。

自分の中でスイッチが入っただけだったかもしれませんけど。

f:id:kenmurata:20210222203737j:plain

S字でのコーナリング、なんだかんだ足を回したままクリアできる

残り4周、集団中盤をキープして上がる隙を伺う。

残り3周、小田原コーナー手前で一気に上がり、ホームストレートでもそのままの勢いで一気に集団最前列に。

f:id:kenmurata:20210222203752j:plain

溜めていた足をここから一気に使います

そのままスタートラインを通過し残り2周へ。

前には少し間が空いてSBCの選手が1人。

そこまでガンガン行こうとしていなかったので、S字を超えた辺りでスッと後ろに入らせてもらう。

交代を促してくるかと思いきや、そのまま小田原コーナーまで。

小田原コーナーに入る直前に、VC福岡の選手が後ろから出ようとしていたので、少し減速しつつ小田原コーナーをクリアして、前へと出す。

先頭から、SBC、VC福岡、そして私Team Tacke。

Uターンの立ち上がりでダンシングしてスピードに乗せて、腰を落として、後ろからも選手が来て、集団がまとまろうとするタイミングでした。

この瞬間をずっと待っていた、ギアを上げて右から一気にアタック。

これしか勝機はない、失敗は許されない全力アタック。

ラスト1周の鐘が聞こえてきて、スタートラインを通過するタイミングで後ろを見ると、後ろが追えず単独逃げ状態に。

f:id:kenmurata:20210222203821j:plain

勝った。

早すぎるかもしれませんが、この瞬間に思いました。

この状況と展開だったら、いくら集団に人がいようが、追いかけっこじゃ絶対に負けない。

そんな自信がありました。

f:id:kenmurata:20210222203652j:plain

あとは全力で逃げるのみ

逆に単独逃げの方が、コーナーは楽なんですよね。

自分のスペースで曲がれますし、立ち上がりも自分のリズムですし。

風はありましたが、昔から向かい風は得意なので、全く気にならず。

小田原コーナーでも自分の予想以上に差が開いていることを確認しつつ、気をぬかずに最後まで全力でゴールまで。

後続に約1.8秒差で単独逃げ切り勝ちを決めました。

f:id:kenmurata:20210222203836j:plain

 

◆レースが終わって◆

まずはほっとした気持ちと少しの武者震いと。

自分が立てた作戦がここまでドンピシャにハマり、自分がそれを実行した事実に興奮していました。

自転車のレースは基本的に、1番最初にゴールラインを通過した選手が優勝となるルールの場合が多いので、とりあえず前半うまくいかなくても後半で巻き返したりができるわけで。

今回はスタート直後にパイロンに突っ込みましたが、それが帳消しどころかお釣りがくるくらい完璧なレース運びができました。

おそらくスプリント勝負になっていたら、勝てていなかったでしょう。

f:id:kenmurata:20210222203900j:plain

表彰式

f:id:kenmurata:20210222203544j:plain

見事1位!

自分の得意な分野に引きずり込んで戦うというのは、勝負の世界では鉄則ではありますが、それを実行できるかというのはまた別問題であり。

そこに引きずりこむためには、さぁどうしましょうか、となっていくのが駆け引きに繋がっていくのだと思います。

難しいですね、また同じようなレースをやってみろと言われても、できるか分かりません、やろうとすることはできますが。

またそれも自転車レースの奥深さなのかもしれませんね。

f:id:kenmurata:20210222204021j:plain

f:id:kenmurata:20210222204033j:plain

優勝商品はアスリチューンの補給ジェルをセットで!

表彰式が終わったあとは、着替えてそそくさと家路に。

港北PAに立ち寄って、勝つ定食ならぬ勝った定食を。

f:id:kenmurata:20210222203958j:plain

ロースカッタ定食

いろいろとうまくいかないことも多いですが、逆にここまでうまくいくこともあるんだなぁと思ったレースでした。

次に大磯に出るときは、1つ上のエキスパートクラスに出なければいけないので、そこでもまた今回のようなレース展開ができるように、また精進していきたいと思います。

そしていつも切磋琢磨してくれて今回もたくさん写真を撮ってくれたチームメンバー、自転車仲間、応援してくれる方々、みなさんの支えがあるからこそ、こうやって自転車趣味を続けていけるのだとも思っています。

このような世界状況の中でも、レースを開催してくださる主催の方々に最大の感謝を。

そして今回のレースの勝利を、亡くなった祖母に捧げたいと思います。

f:id:kenmurata:20210222220628j:plain

 

◆レースデータ◆

Time:20:22.647

Dis:13.2km

AV.Sp:39.0km/h

MAX.Sp:55.0km/h

AV.HR:168bpm

MAX.HR:190bpm

AV.Cad:95rpm

AV.Pw:282w

MAX.Pw:935w

NP:322w

EG:344KJ

 

【順位】

1位

 

www.youtube.com

2020.12/12「袖ヶ浦チャレンジ2020」160kmチャレンジ男子ソロ

春に開催予定だった袖ヶ浦チャレンジ。

延期が決まり、12月開催のアナウンスがされたのが随分と前だった気がするけど、気がついたら当日になってしまうわけで。

前回のひたちなかでの反省を踏まえて、いろいろとチャレンジしてみようという心持ちでした。

f:id:kenmurata:20201213160937j:plain

 

◆当日まで◆

160kmのレースということで、今まで参加したレースの中でぶっちぎりの最長距離。

距離だけ見れば走りきる体力はあるはずなので、調子の維持がマスト。

調整も特に特別なことはせずに、少しずつ本番に向けて練習量を減らしていって、疲れを抜いていく程度に。

f:id:kenmurata:20201213161714j:plain

インターバルは少しやっておきました

f:id:kenmurata:20201213161101j:plain

減量……はうまくいかず、普段と変わらない数値に

f:id:kenmurata:20201213160923j:plain

前日はちゃんと(?)験担ぎでステーキを

◆作戦◆

160kmという長丁場なので、できるだけ足を使わないようにして補給もしっかり摂りつつ完走あわよくば上位を狙っていく……というのが本来だと思うのですが、今回はちょっと違う方向性を持って走ってみようかと。

完走、は狙わず、足を使ってでも位置と集団内のポジションを確保しに行って、結果的に足が終わって完走できずとも仕方ない、という考えでした。

先のツール・ド・ひたちなかでは、落車でレースが即終了してしまったこともありましたが、集団最後尾でのインターバルのかかり具合を体感し、さらに集団走行及びパワーの出し方が下手すぎる欠点が見えてきました。

なので今回は、集団でいいポジションを維持するために足を使っていって、それで完走できなくても仕方ないよね、ってスタンスでいこうと。

たぶん今の感じだと「集団内でも先頭の方に位置をして!」とか言っても、できないと思ったんです。

やってみて、DNFになっちゃっても、今回はいっか、くらいの気持ちでした。

それに集団内でいい位置にいれたら、自然と足も使わなくなるだろうと思いましたし。

他の作戦と言えば、長い距離だったので補給を多めに持って行く、ドリンクも950mlと750mlの2本体制で。

結果を先に言うと、補給もジェル1つとスポーツようかん半分、ドリンクに至っては500mlほどしか飲まなかったので、そこそこの重りを装備したまま走っていましたが、こればっかりは分からないので仕方なかったですね。

f:id:kenmurata:20201213160825j:plain

袖チャレ公式サイトより画像を拝借、下りの先のヘアピン注意

◆レース前半◆

スタートは非常に穏やかに、自然と集団になって特に危なげなし。

ホームストレートから右に曲がって登り、登ったら長い下り、からの急なヘアピンカーブ。

ここは特に攻める必要があるわけでもないので、自分が曲がれると思う速度までしっかり速度を落として曲がって……としたのですが、周りに一気に抜かされ置いていかれる。

えぇ……なんでそんな速度で曲がって行けるの……とか思いつつヘアピンのすぐ後の登りをクリア、インターバルその1。

そこから若干の下り区間があって、からの再度ヘアピン、また置いていかれる、インターバルその2。

少し登ってホームストレートに戻ってきて1周2.4kmをあと65周、先が長い。

流石に安全にいきすぎたのだろう、ということで下りからのヘアピンの前のブレーキを、先ほどよりかはかけないで速度を出していってみようと。

下って、少し右に緩やかに曲がって、からのヘアピン。

後輪が滑る感覚が一気に戻ってきたのは、その瞬間でした。

フラッシュバックなんて名前のもんではなく、単にビビっただけだと思いますが、結局前と同じブレーキ量と同じ減速と同じインターバルをこなして、また1つ周回を終了。

前回のツール・ド・ひたちなかでの落車は、思っている以上に自分の中で大きな出来事となっていたようです。

今回は雨も降っていない完全ドライな上にタイヤを新しいものと交換してきているので、滅多なことがない限りは滑らない、とは分かっているのですが、ヘアピンに入る前のブレーキがどうしても多くなってしまいます。

また他の周では、右肘を粉砕骨折した瞬間まで蘇ってきて、一層曲がるスピードが遅くなり。

 

怖い、本当に。

 

あのときも下りの右コーナーだったな、などと余計なことを考え始め、もう集団の位置とか前方に上がるとか、そんなこと気にしていられる心理状況ではなくなりました。

追い討ちをかけるように、20周が終わった頃から尿意を催し始め、いつレース途中でトイレに行くか、いつレースを降りるか、の脳内会議が頻繁に開催されるようにもなってきました。

まだ足はあるけど、そのうちこのインターバルでなくなるだろうし、トイレ行きたいし、怖いし、いつ止めようかなぁ、と。

f:id:kenmurata:20201213170622j:plain

2時間経過時点での速報

◆レース中盤での経験値獲得◆

惰性で40周ほど走ると、100kmカテゴリの方々と集団が分裂し、比較的和やかペースに。

尿意も消えるわけではありませんが、ある一定の間隔から増えることもなくなりまして、まぁ走り続けられる程度には収まってくれていました。

100kmカテゴリの先頭集団がゴールした後も、そのままそこまで速度は上がりませんでしたが、ヘアピンでの個人的インターバルは絶賛開催中でした。

一瞬集団の先頭まで上がることもできたのですが、交代がうまくいかず後ろから「回して〜」の声がかかってしまい。

そりゃずっと中〜後付近にいて前方の交代の空気も分かっていない奴が先頭に出るとこうなりますね、大変失礼しました。

そこからなんとか先頭付近に留まろうとはするのですが、やっぱりヘアピンで遅れ、気づいたら集団後方へと戻される。

ずっと前の方にいたいんだけどなぁ、と思うことしかできずに走っていました。

そしてまた下りながらインターバルもといヘアピンの準備をしていると、右からスッと出ていく人が。

特徴的なカラーの自転車に乗っている、有名なホビーレーサーの方でした。

誰も後ろに入っていなかったので、後ろにつかせてもらうと、ヘアピンが。

走行スキルを上達させるためには、上手い人の後ろにつく、とはよく言われますが、まさしくこの状況ではないかと。

この人の後ろにピッタリついたまま曲がればクリアできるはず、それでコケたらこの人のせいだ!と失礼なことを考えつつヘアピンに侵入していきました。

今までとは明らかに違う速度で。

今までとは明らかに違うブレーキ量で。

今までとは明らかに違う走行ラインで。

今までとは明らかに違う倒し込みで。

ヘアピンをクリアし、集団についていけていました。

正直、こんな身体倒しこんでいいの!?って感覚でしたが、次のヘアピンも見事にクリア。

ようやく分かった瞬間でした。

f:id:kenmurata:20201213160953j:plain

頑張って走ってくれた自転車たち、今回はチーム員2人での参加でした

 ◆レース終盤◆

ヘアピンが来る度に「ブレーキかけるな!いけるから!!」と頭の中で叫びながらのコーナリングでしたが(本当にやってました)前半に比べて明らかにインターバルがなくなりました。

前半での足のダメージが悔やまれつつ、順調に周回を減らしていき残り10周。

今回は2人で参加していたのですが、もう1人が足つりでこの時点で離脱。

私を気にして後ろまで下がってきてくれていたりしたので、足も使わせてしまったかな、と少々申し訳ない気持ちに。

残り4周、の下りからのヘアピン、の先の登り。

集団の中ほどにいたのですが、先頭付近がそのまま踏んでいる、ように見えたんです。

ここが踏みどころだ、躊躇したらここでレースが終わる!

最近手応えを感じている登りのダンシングで加速し、一気に集団の前方へ。

これが正解だったようで、残り3周回から一気にペースが上がり、残り3周(64周目)では1周のタイムも最速で、レース中のNPも最高値を出していました。

65周目も終始集団前方に位置し、ついにラスト周へ。

全体的に爆速になるのかと思いきや、登りの上がるところは上がりますが、そうでないところは今までと変わらず。

最後のヘアピンを抜け、一瞬速度が緩み、ホームストレートへの登りで一気にかかる。

正直勝負としてはこの瞬間に決していて、着順にからんだのは前から4人目くらいまでかな、って感じでした。

ホームストレートに入り、最後の踏み、をしようとして、初めて自分の足のダメージに気づきました。

160km走ってからのスプリントなんてできないよなぁ、と思いつつ、全力ではないにしろ踏みながらゴール。

着順は分かりませんでしたが、10位くらいかな?という位置でした。

f:id:kenmurata:20201213161042j:plain

最終リザルト、シングル9位!

◆振り返ってみて◆

まずレースが終わって、すごくホッとしました。

落車なく終われたこと、今までの最長距離、そして高速度での集団やコーナー。

怖かった面も非常に多かったのですが、明らかに経験値を大量取得できた手応えがありました。

f:id:kenmurata:20201213161030j:plain

完走証明書

出せるパワーや速度が優秀だったとしても、スキルがなければそれは活かせない、というのを見事に実感しているこの頃ではありましたが、こうやって数を重ねてスキルも身につけていければと思っています。

完走できなくても、とは思っていましたが、結局走っていたら最後までいきたくなりましたし、トイレも我慢できましたし、その上で非常にいい経験ができたので、大満足のレースとなりました。

開催していただいた関係者の方々、一緒に参加してくれたチーム員、本当にありがとうございました!

f:id:kenmurata:20201213161019j:plain

大満足で気持ちは優勝!

◆レースデータ◆

Time:3:52:26

Dis:160.1km(160.8km)

AV.Sp:41.4km/h(40.88km/h)

MAX.Sp:54.9km/h

AV.HR:149bpm

MAX.HR:177bpm

AV.Cad:90rpm

AV.Pw:221w

MAX.Pw:898w

NP:272w

EG:3,077KJ

 

【順位】

9位