2021.6/6「富士の国やまなし Mt.富士ヒルクライム」主催者選抜クラス
去年は65分を切るタイムのゴールドクラスを狙っていたのだけど、あえなく中止に。
その思いもあり、今年こそは必ずやゴールドを取る!
という意気込みが、まさかあんな結末を招くとは……。
◆前日まで◆
3月から富士ヒルに向けてスタート。
室内トレーニングではSST、FTP走、流行りのCarsonを自分なりにカスタムして勝手に名付けたMyCarson、と日替わりでFTPアップのメニューをこなし、実走では全開走や登り練習など、とにかく富士ヒルにフォーカスしたトレーニングを積みました。
3月の終わりからは減量も開始。
今までもデータを記録することは好きだったので、自分の傾向から、脂質をとにかくカットしてたんぱく質を意識して大量に摂る食生活へ。
炭水化物は特に意識していませんでした。
甘いものを食べたいときは、洋菓子ではなく和菓子を選ぶように。
元々和菓子好きだったので全く苦ではなかったです、あんこ最高。
その結果、FTPも約20w上昇、体重は7.3kg、体脂肪率も約3%ほど落とすことに成功!
試走のタイムはそこまでよくなかったのですが、過去最高に仕上がった状態で意気揚々と山梨県に乗り込んだのでした。
◆前日◆
当日の早起きに対応するために朝5時に起きて自転車の整備。
車に荷物を詰め込んで出発、途中で一緒に参加するチームメイトを拾いつつ。
中央道で見事に事故渋滞に捕まり、なんだかんだ3時間半くらいかかったのかな、普段は2時間もかからないのに。
という流れで、13:40頃に駐車場に到着。
今回は当日の駐車場がドギーパーク(スバルランド)だったので、その下見も兼ねてドギーパークに車を駐めて会場へ。
受付を済ませて5合目行きの手荷物も預けたら、サイクルエキスポを散策、マグオン購入。
ここ最近足攣りが頻繁に起こるようになっていたので、その対策を第一にして、水分もわざと多めに摂ってウォーターローディングを狙っていました。
あとは合間合間にちょくちょく和菓子を摘んでカーボローディング、バナナにも大いに助けられました。
会場を後にして宿に一度荷物を置いてから夕食へ。
それから買い出しに向かったのですが、なんと近くのコンビニの食料がスッカラカン!
みんな考えること同じすぎでしょう、ってことで地元のスーパーに行って無事に食料調達完了。
21:20頃に就寝。
◆作戦◆
光栄なことに主催者選抜クラスに選んでいただきましたが、優勝争いができるとは微塵も思っておらず。
ただ、タイムを出すにはそれなりに集団についていかないといけないとも思っていました。
1合目まででも、なんとか集団についていければ目標のゴールド獲得に大きく前進するだろうと読んでいました。
なので前半耐えてなんとか集団で過ごし、後半からの勝負、という作戦でした。
それが裏目に出るとは思いもよらず……。
◆当日◆
3:30起床、0:30頃に1度トイレに起きた以外はよく眠れていたようです。
起床時心拍数が高めなのが少し気になったけど、標高が高いから、でしょうたぶん……。
朝食は買い込んだパン、たんぱく質も摂取するか悩んだけど、お腹の容量的になしに。
準備は前日にほぼ済ませていたので、着替えて荷物をまとめて駐車場へと出発。
宿から駐車場までは10分ほどで到着して、だいぶ余裕があったのでゆっくりトイレに並んだり。
ウォーミングアップはいつものメニュー、軽いギアから足をクルクル回して徐々に負荷を上げていって自然と心拍数も上げていくスタイル。
ほどよく心拍数も息も上がるところで終了、準備万端。
レース用のジャージに着替えて、スタート地点へ。
◆レーススタート!◆
と、思いきや、なんとここでサイコンがバグる。
勝手に電源が落ち、そのまま回復せず、電源を入れても画面が固まったまま動かず。
最悪だ、このタイミングで故障とか、と思っているとスタート5分前のアナウンス。
あぁ、仕方ない、パワーとかのログは取れないし、タイムも終わってみてからのお楽しみになるけど、諦めるよりかはマシだ。
という気持ちのままスタート、パレードランで少しづつ登っていく。
リアルスタートまであと500m、というところで奇跡が。
なんとサイコンが起動した!
ちゃんと動いてる!!
というかなんだったんださっきまでの!! !
気づいたら若干集団の位置を落とし、リアルスタートまであと300m、再度気持ちを入れてリアルスタートへ。
◆レーススタート!!◆
計測地点を通過してリアルレース開始、とスタートしてから20秒ほどでファーストアタック。
集団内からも驚きの声が上がる、料金所までは静かなままだと思った。
結果を先に言うと、このファーストアタックがなんと最終列車だった、優勝した池田さんもこのアタックに乗っていた。
アタックで数名の逃げができ、集団からは料金所を過ぎた付近で追走の動きが出たことによって、集団の速度が一気に上がった。
いや、かなりキツイ、パワーは6倍付近をウロウロしてる。
この時点で遅れる選手が出始め、なんとか集団に残ろうと中切れを埋めながら集団後方にぶら下がる。
スタートから3km地点で、また一段と速度が上がり、遅れる集団とメイン集団に完全に分断されそうになった。
力を温存、とか言っていられる状況じゃなくなってしまったので、集団に残るために足を使い続ける。
と、ここで胃に違和感が。
お腹が痛くなるにしても普通は腸とか少し下の方、それか脇腹じゃない?
と思いながらダンシングしていると、一気にギュッっと胃を握り締められたような不快感、実際に握り締められたことないけど。
その瞬間、急激に強烈な吐き気が。
なんだこれ、と思ったのも束の間、血の気がサッと引いて目眩が。
あ、ダメだこれ、吐く。
気がついたらレースの監視員に手を挙げ、自転車から降りていました。
◆3.8km地点、リタイア◆
監視員の人が言うには、既に顔が真っ白どころか真っ青になっており、呼吸の仕方も異常。
心拍数はもとより血圧が異常なのでは、ということを話していてくれたと思います。
しばらくするとバイクの循環監視員も止まってくださり、この後の話を。
分かっていたことだけど、これから参加者がどんどん登ってくるから、12時頃にならないとここからは下れない、第一関門まで行けばバスで下れるけど、そこも下山は12時頃になる、ちなみに今7時前。
1番現実的なのは、このまま少し休んで回復したら、ゆっくりでもゴールまで行くこと。
なんとか走れるまで回復しそうだったので、ゴールまで登る選択肢を選び、約20分の休憩の後、また登り始めました。
全くペースを上げず、胃の不快感と時折の痛みを抱えながら。
かなり長い時間後ろにピッタリついてきた人がいたり、平坦くらいは上げてくか、と飛ばしたり、ゴールする直前に割り込み&斜行してきた輩がいて危なかったくらいしかハイライトはないですが、無事にゴール。
リタイアしたけど完走、というよく分からないことになっていますが、富士ヒルの完走率が高いのは、こういう人がいるからでしょう、下山に時間がかかるからとりあえずゴールまで登ると言う。
公式記録は2時間2分。
荷物預かりでチームメイトと合流し、同じ組で下山しました。
◆振り返ってみて◆
3ヶ月間、この富士ヒルを目標にしてトレーニングを詰んできて、2ヶ月以上に及ぶ減量を敢行し、体調不良でリタイアです。
あれだけ気合入れて、主催者選抜クラスにも選ばれて、終わり方がこのザマか……と思う気持ちもあります。
が、実は悔しさよりもスッキリした気持ちの方が勝っていました。
例えばの話、膝に痛みが出た、ふくらはぎが攣った、などの身体異常だったら、無理してでも走っていたと思います。
そして満足のいくタイムが出せずに終わり、悔しがったと思います。
しかし今回は、無理をするしないの話ではなく、もう動けなくなって何もできなくなる状態、もう走ると言う選択肢がない状態になってしまったので、仕方ないかな、と素直に思えました、どうすることもできないわけですから。
体調不良の原因と予測されるものををいくつか上げてみると
・急激な心拍数の上昇
・急激な心拍数の上昇に伴って急激な血圧の上昇
・自覚のないストレス
・減量による胃への負担
・前日からの脂質の急激な摂取
という感じになります。
アップは十分に行ったのですが、標高が高い場所での心拍数の急上昇は、普段の標高の場所とは全く違う意味を持ちます。
血圧は監視員の方に言われたことですが、思い当たる節があり、下山してすぐに母に電話をしました。
母は高血圧で体調を崩すことが今までに何度かあったので、その症状や傾向を聞きたかったのです。
すると、吐き気や目眩と言った症状が出るとのこと。
可能性としては十分にありそう。
もしかしたら、起床時心拍数が高かったのも、標高のせいもあるだろうけど、この予兆だったのでは?
ストレス、胃への負担、脂質摂取は、知人と話していて気づいたことです。
私はレースの1~2週間ほど前から、ソワソワしたりピリピリしたりする感覚がどうも抜けず、それを周囲に漏らさないようにしようと溜め込むクセもありまして、それで無意識的にストレスを溜めてしまったのではないかと。
また、脂質を徹底的にカットする減量方によって、栄養バランスが偏った結果、それが胃に負担をかけ、前日のカーボローディングという名の暴食によって爆発したのではないかと。
そう言われると、非常に説得力があります。
私自身、胃の強さには自信があり、ウィルス性の胃腸炎くらいでしか胃を壊したことがなかったのですが、確かにそろそろ身体を労らなければいけない年齢になってきているわけです。
徹底的に心身を追い込んだ結果、悪い結果がいくつも重なり、あの瞬間に出てしまった、というのが結論です。
体調を管理できない者がレースに参加していい結果を残せるわけありません。
もちろん残念ではありますが、自分の調整ミスによって引き起こした事態です。
しっかりと反省して次に生かそうと思います。
◆その後◆
少しの間、自転車に乗らないように、お休み期間を設けています。
1週間ほどになるとは思いますが、しっかり休んで、また次のレースに向けて頑張ります。
来年の富士ヒルは出るか未定です。
これまでだったら、富士ヒルが終わったらまた来年の富士ヒルで!という気持ちになったのですが、今回はその気も起こらず。
まだ時間はありますから、ゆっくり考えたいと思います。
最後になりますが、いろいろな意見が飛び交う中、開催してくださった関係者の方々に感謝を。
やっぱり富士ヒルは、みんなが頑張れて、みんなが楽しめて、とてもお祭りムードがあって楽しいです。
このご時世ですから、中止になるのではと、いつも思っていました。
自分自身の結果は残念なものでしたが、開催していただきまして、ありがとうございました。
もし来年出ることになったら、それこそまたパワーアップして、ゴールドを狙いたいと思います。
【結果】
3.8km地点DNF
公式記録:2時間2分完走